法人と個人事業者の違い
消費税の計算問題は、法人か個人事業者のどちらかの事業者の計算問題です。
法人と個人事業者の計算問題は、ほとんどの処理が同じですが少し違ってくる部分への理解が、合否の分かれ目になってきます。本試験までに違いをしっかり理解しときましょう。
①基準期間における課税売上高の違い
個人事業者の基準期間はその年の前々年で基準期間における課税売上高はその前々年の課税売上高です。
法人の基準期間は、基本的に前々事業年度で基準期間における課税売上高もその前々事業年度の課税売上高になります。
しかし、前々事業年度が1年未満の場合は、その事業年度開始の日の2年前の日の前日から1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間になります。この場合の基準期間における課税売上高は、基準期間の課税売上高から事業年度の月数の合計数で除し、12を乗じて計算します。
簡単に言えば、個人事業者は年換算しなくていいということです。
②資産の譲渡とみなす行為・低額譲渡
法人が資産を役員に贈与した場合に資産の譲渡とみなす行為のひっかけとして、家族などに資産を贈与する取引などが出てきますが、この規定は個人事業者には関係ないので適用はありません。不課税取引になります。
そして、家事用資産の譲渡も資産の譲渡等に該当しない。
また低額譲渡の規定も法人限定なので、適用しない。
③有価証券等の譲渡
有価証券やゴルフ場株式の譲渡は、資産の譲渡等に該当しない。
また、有価証券やゴルフ場利用株式等の売買手数料も課税仕入れに該当しない。
個人名義の預金利子も資産の譲渡等に該当しない。
④不動産(店舗兼自宅)の譲渡
自宅部分の譲渡は資産の譲渡等に該当しない。
按分計算が必要になる。
⑤特定期間
個人事業者の特定期間は1月1日から6月30日までです。
⑥相続
相続をした場合も、納税義務の判定において年換算をしない。